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修練の鏡と精霊の大地

第10章 老人と塔

 一方、コウヤとユングは……


「すげえ……精霊の力でワラワラの言ってることが翻訳されるんだな」


 ユングは淀屋橋の持っている、動物の精霊に感心していた。


「わしは今、精霊の石を14個持っておる。必要なら貸してやってもいいぞ」


 そう言うと淀屋橋は、袋の中からジャラジャラと石を出した。


「えっ!? こんなにあるの!! それぞれどんな力を持ってるんだい?」


 コウヤは身を乗り出すように、興味を示した。


 淀屋橋は少々苦い表情を見せると「いや、どれがどれかは覚えてないんじゃ……村に預けたのは、この精霊達と仲が悪いやつをひとつ預けただけじゃし」


「それが本心だな……」

 うっかり溢した淀屋橋の心の声を、コウヤは聞き逃さなかった。


「それはそうと、闇神や暗黒の仏さんを倒しに行くんじゃな」


 淀屋橋は早急に話を切り替えてきた。


 ユングとコウヤは淀屋橋の相手をすることに、徐々に飽きてきていたが、本題ともなる話を出されては無視は出来なかった。




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