修練の鏡と精霊の大地
第10章 老人と塔
「そうだが……とにかく精霊の大地に、まず行かなきゃならないみたいだから、本当そっちを優先したいんだよ」とコウヤが眉をしかめながら言った。
〈精霊の大地なら、あの塔の最上階です〉
ワラワラが、片腕の指をその方向に向けて差し示した。
「えっ!? いま、なんて言った!?」とコウヤが聞き返す。
〈精霊の大地はあの塔の天辺から行ける。精霊、どんなものにも言うことをきく。かわいい〉
「本当かよ!! いま、キュウと奈美が向かってる所じゃねえか!!」
〈本当だよ。絶対だよ〉
「お前、本当に人の言葉がわかるんだな……すげぇやつ」
そう言うと、コウヤは感染しないのなら、ペットにしても大丈夫なのではないかと思った。
「でも、人は襲わないか?」とユングが聞いた。
「こいつは人間には無害じゃ。ただし、妖精は襲うらしいがな」
淀屋橋はワラワラの背中を、まるで猫にでも触れるかのように撫でる。
「人間は襲わないって?」ユングの声が裏返る。
「どうも、このワラワラの性質として、食しやすい匂いがするものしか口にしないらしい。ブチブチを知っているかね?」
〈精霊の大地なら、あの塔の最上階です〉
ワラワラが、片腕の指をその方向に向けて差し示した。
「えっ!? いま、なんて言った!?」とコウヤが聞き返す。
〈精霊の大地はあの塔の天辺から行ける。精霊、どんなものにも言うことをきく。かわいい〉
「本当かよ!! いま、キュウと奈美が向かってる所じゃねえか!!」
〈本当だよ。絶対だよ〉
「お前、本当に人の言葉がわかるんだな……すげぇやつ」
そう言うと、コウヤは感染しないのなら、ペットにしても大丈夫なのではないかと思った。
「でも、人は襲わないか?」とユングが聞いた。
「こいつは人間には無害じゃ。ただし、妖精は襲うらしいがな」
淀屋橋はワラワラの背中を、まるで猫にでも触れるかのように撫でる。
「人間は襲わないって?」ユングの声が裏返る。
「どうも、このワラワラの性質として、食しやすい匂いがするものしか口にしないらしい。ブチブチを知っているかね?」