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修練の鏡と精霊の大地

第10章 老人と塔

 二階に上がると、そこは何もない殺風景な円形の階。仕掛けがありそうな障害物も無く、怪物もいない。


 ただ、向こう側には次の階に上がるための階段が見える。


「ここはなんもないようだな。階段まで行けば大丈夫」


 二人はまっすぐ階段へと向かった。


 だが、階段の真下に来て唖然とした。


「え……これって、上がれんの?」と球也が階段の先を見上げて言った。


 階段の上部が次の階まで続いていない。


 奈美が上がっていくが、とても上にとどきそうにない。


「奈美ちゃん、どう?」


 球也が下から声をかける。


 奈美は上から両手をクロスさせバツを示す。


「あ……そうなんだ……と、とどかない……んだよね」


 急に顔を赤らめ、口調がたどたどしくなった。


 下から見上げると、奈美の穿いている下着が見えていた。


『白と黄色のしましま……』


 頭でそう呟きながら、何度も生唾を飲んだ。


 奈美は普通に階段を下りてきた。




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