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修練の鏡と精霊の大地

第10章 老人と塔

 その揺れが徐々に強くなってくる。


 奈美は目を閉じて、球也の服をキュッと掴んだ。


「奈美ちゃん、離すなよ。何が起こるかわからないから……」


 球也はそう言って、奈美の肩を抱いた。


『ゴゴゴゴゴゴ』


 音と共に、階段の最上部が浮き上がってきた。


「えっ!?」


 それがどんどん天井に向かって押し上がる。


 球也はその様子をジッと見つめていた。


 最上部が天井にとどくと、その根元からクルリと半回転した。


「えっ!? マジで!?」


 球也は思わずそう口にした。


 半回転した表側にはハシゴがついていた。


「おい奈美ちゃん、上に上がれるで!!」


 階段でうずくまっている奈美の肩をポンポンと叩く。


 奈美は階段の先を見上げると、ホッとした表情を見せた。


 二人はハシゴを登り、次の階に足を進めた。


 三階。


 そこにはいくつもの大小の立方体の箱が、あちらこちらに置いてある。


 球也はペタロからもらった見取り図を見た。


「えっと……これがさっきの階のやつやな」



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