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修練の鏡と精霊の大地

第10章 老人と塔

 球也は先ほどの二階の見取り図を眺めていた。


 草木の精霊ソーヤが顔を出した。


<えっと……130オモーで上がれる……だって>


「オモー? どういう意味?」


<人間で言うキロやなぁ。つまり130キロ分の重さを階段に加えれば次の階に上がれるってこっちゃ>


 階段が動いた理由がわかった。


 球也71キロ、奈美39キロ。二人の体重に加え、腰袋のコインとの重さが130キロを越えたため、ハシゴが出現し、上に進めたのだ。


<なるほど……なぁ、キュウちゃん。これ、塔の進みかたも書いてるわ>とソーヤが見取り図を指差して言った。


「キュウちゃんて俺かい! て、ことは……これを読んだら軽く上に行けるんやん」


 球也はポンと手を叩いた。


<じゃあ、この階のやつ見せて>


 球也はいまいる階の見取り図をソーヤに見せた。見取り図と言ってもペタロが簡単に書いた図形のようなもの。注意点はすべて文字で書かれている。


<えっと……このうちひとつだけ上に行ける階段の箱がある。後は何が出るかわからない……だって>


「それ、むっちゃ怖いわ」



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