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修練の鏡と精霊の大地

第10章 老人と塔

 球也はよっしゃと言わんばかりに、葉っぱを手に取った。


「サンキュー!!」


 球也はそれを丸めて口に入れた。


 沸々と力がわき出てくる。


『ゴアーーッ!!』


 ライオンの雄叫びだ。


 火の精霊が出す炎を、全体にまとった風で吹き消していたが、やがて尻が熱くなってきたのだろう。


 苦しそうな叫び声を発していた。


 ライオンは尻の火が気になって、奈美のことは眼中にない。


 球也は奈美の元に走り寄った。そして両手で抱きかかえ、端の方に避難させた。


「大丈夫か?」


 球也の問いかけに、奈美はコクンと頷いた。


「こっちは重いのを捨てて体が軽くなったで。反撃するからここで見といてや」


 球也は剣を右手に取ると、バッターボックスに立つ野球選手のように、剣先をライオンに向けた。


「コラ、でっかいライオン!! お前を打ち倒してホームラン決めたるからなぁっ!!」


 球也はライオンに向かって走り出した。


 尻尾にいた火の精霊はライオンの勢いに負け、壁に振り投げられた。



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