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修練の鏡と精霊の大地

第1章 黄昏時に出会して……

 ランナーは二塁。セカンドを守っていた球也は、かなりのプレッシャーに押し潰されそうになっていた。


「落ち着け……落ち着け……ボールよ、出来れば来るな」


 相手バッターが打ったボールが、願いを裏切って球也の方に向かって来た。


「ほんまか……」


 ボールは、球也のグローブにおさまったと思われた……が、痛恨のポロリ。


 その間、二塁のランナーが三塁をまわり、ホームに向かって走ってきた。


 球也は、ボールを拾う。


 なんとか1点が欲しいランナーは、闇雲にホームに走る。


 球也は、慌ててホームに投げた。


 大暴投。


 ボールは地面に叩きつけられ、ポンポンと跳ね返っていた。


 その間、1点が入ってしまった。


 球也はボール相手に、鬼ごっこの様に追い掛ける。


 ランナーは三塁に向かって走る。


 すかさず、ショートがボールを取りに行く。


 状況を見抜いた監督が、ベンチから立ち上がった。


「球也、追うな!! 下がれ!!」


 監督の声が飛ぶ。


 だが、ボールしか見えていない球也は、ショートに体当たり。





 逆転負けだった。



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