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修練の鏡と精霊の大地

第2章 物語の扉

 だが、その瞬間……



 何者かに腕を掴まれた。


「わっ!!」


 思わず引っ込めようとするが、強い力で向こうに引っ張られている。


「待って……待って……なになになに……」


 さらにグイグイと引っ張られる。


「痛い痛い……やめてっ!! そんな鏡の中に入らへんよ!!」


 すでに右肩まで入っている。


 鏡の大きさから考えても、球也の体はとても入れるものではない。


 球也は体を曲げ、必死に抵抗する。だが、引っ張られる力の方が圧倒的に勝っていた。


「や……やめてぇ」



 複数の腕が自分を掴んでいるのがわかった。


「助けて……助けて……」


 あまりの恐怖に涙を流す。


 鏡はパアッと大きく輝きだした。


 眩しさのあまり、目を背ける。


 その瞬間、体の半分が鏡の中に入り込んでいた。


「助けて……助けてぇ……優也っ!! 助けてぇっ!!」



 数分後




 部屋には球也の姿は無かった。



 机の上に鏡を残して……。



 鏡は、元の部屋の天井を映していた。




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