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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

<うちからしたら、全部わけわからんし。なんか考えてみようよ>


「そういえば、ペタロさんも言うてたな、迷路がどうのこうのって……ここのことなんやな」


 球也は頭をかきむしる。


 奈美は疲れたのか、いつの間にか座り込んで眠っていた。


 奈美が目を覚ます前に迷路の入り口を見つけたい。


 だが、全面壁で塞がれ、隙間もない所にどんなヒントがあるのだろうか?


 球也は壁をジッと見る。切れ目はないか、なにか書いていないか……。


 だが、壁には傷ひとつついていない。


「なんか腹立つわ!! ションベンかけたろか!!」


 この塔にはトイレがない。今までは野原や木の陰でやっていたが、膀胱がパンパンになってきている。


「ちょっと、立ちションすっか」


 奈美から遠く離れた所の壁にむかって、起きて見られないように放尿。


 我慢していたのか、一気に気持ちが軽くなった。


「ふ〜」


 体がブルブルっと震える。


 ところが、球也はある異変に気付いた。


「あれ? 壁が濡れてない」


 壁にむかって放水したはずが、壁も床も濡れていないのだ。足元にいくつかの滴がたれているのみだ。


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