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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

 あの不思議な鏡が置いてある。


「夢!? いや、違う……あれ?」


 コウヤはわけがわからなくなった。


「キュウは? ユングに……桃尻は?」


 コウヤは、自身が所属している、プロレス団体が所有する寮にいた。そう、現実の世界に戻されていた。


「うそだろ……」


 コウヤは鏡を覗きこむ。鏡は普通の鏡に戻っていた。


「夢なのか?」


 コウヤは頭をかきむしる。


「あれ?」


 さっきまで砂がついて、ジャリジャリとしていた頭が、スッキリしている。


「どうなってんだ……俺は騙されたのか?」


 リアルすぎた夢。コウヤはそう思いながら部屋を出て、シャワールームにむかった。


 本当に夢か?


 足を止めると、ついつい考えてしまう。


 大自然のフィールドの中で怪生物と闘い、精霊と呼ばれる者の力を借りて危機を脱却し、旅をしていた。


 それはかなり鮮明に、はっきりと記憶に残っている。


 脱衣場で衣類を脱ぎ、浴室に入る。


 シャワーを浴びながらいろいろと考える。


『考えたら、そんなバカなことねえよな。なぜ、鏡の中に入って、違う世界に行けるんだよ……あの鏡がおかしいんだ』



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