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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

『あ、矢崎選手。夜分遅くに申し訳ないです。実は矢崎さん宛てに、こちらに電話がありまして』


「電話? 俺に?」


『はい、僕はたまたま夜勤でこちらにいたので、電話に出たんですが、女性の方から……』


「女性!? 誰だ?」


『おそらくファンの方じゃないですかねぇ? こんな時間にかけてくるなんておかしいですよねぇ。なんか、ももち? ももじ? りこって言えばわかるからって、しつこく言われたんですが……必死になんだかんだ言うもんですから……』


 ももじりこ!?



 コウヤはハッとした。


 桃尻娘……莉子だ。


「おい、その女性の電話番号はわかるか?」


『はい……番号通知で表示されますので見ればわかりますが……まさか、かけるんですか!?』


「心当たりがある。その番号を教えてくれ」


『わ、わかりました』








 一方……



 巨大な鳥の巣で仮眠をとっていたユングは、ふと目を覚ました。


「少し寝たからいいや……早く二人のもとに行かなきゃな」


 寝たと言っても10分ほどだ。浅い仮眠だが、今のユングにはそれで充分だった。



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