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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

『そっか、そうだね』


「ところで莉子、お前、なぜあの村の入口で倒れてたんだ?」


 コウヤは気になっていたことを聞いた。


 莉子は『少し長くなるけど、いい?』と断りを入れると、眠ってしまう前の出来事をすべて話した。


 話を聞いて、携帯電話を握るコウヤの表情が変わった。


「莉子、それは本当か!?」


『間違いない。私、それを伝えにいくために村から出たの』


「やはりそうか……」


 コウヤは下唇をかんだ。今、それに気が付いた時点で莉子もコウヤもなにも出来ない。


 鏡の中にも入ることが出来ないのだ。


 コウヤは一度電話を切ると、佐田勇樹の所属団体に電話をいれてみた。だが、時間が時間だけに、留守番電話との対応で終わった。








 塔の中。


 不思議な壁と向き合いながら、一歩ずつ前進をこころがける球也と奈美の二人。


 行き止まりが本当に行き止まったり、貫通出来る壁を探したりと、なかなかスムーズに進まない。


「こりゃ、たしかにめんどくさい迷路だわ。誰が作ったんや?」


 壁に手をつき、つたいながら確かめていく。


 その後ろから、奈美はついていく。


 前後上下左右キョロキョロと見回している。奈美は変な怪物がいないかどうかを確かめているのだ。


 球也の左手が壁に吸い込まれるように貫通した。


「おっ、ここの壁が通れる」


 通れる壁を見つけると、両手から入っていく。


 先に入った球也はまず、何かいないか、仕掛けはないかを調べる。


「んっ!?」




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