テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

 そして、一気に階段をかけあがった。


 天井の穴からは、冷たい空気が流れていた。


 球也が先に顔を出した。


 次の階には、様々な怪物の姿をした巨大な石像があちこちに置かれている。


 そこは、今までの階よりも異様な空気に包まれており、威圧感を覚えた。


「なんだよこれ……危険な空気プンプン丸やんけ」


 ひとつひとつの石像は今にも動き出して、球也に襲い掛かってくるように見えた。


 ペタロからもらった見取り図を取り出した。


 だが、思わずそれを床にぶちまけてしまった。


「うわっ!! しまった……」


 そのうち数枚は下の階に落ちていった。


 球也はあわてて集めにかかる。


 とりあえず、拾える分は拾っておかねばならない。


「ごめん、奈美ちゃん、ちょっと手伝って」


 球也はそう言って一枚一枚集めていく。


 奈美も同じように集めていた。


「あんなとこまでいってるわ」


 そのうち一枚が、大きなサソリのような石像の前にあった。


 それは遠くから見ていても、なにか近寄りがたい空気が漂っていた。


「取りにいくしかしゃあないわ」


 球也は足早に取りに向かった。


 その時……


『ゴゴゴゴゴ……』



ストーリーメニュー

TOPTOPへ