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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

 地震が起こるのか、火山が唸りをあげているのか、それに近い音がした。


「なんの音!?」


 辺りを見るが特に変化は、見られない。


 だが、確かな変化はあった。


 その変化に気が付いたのは、奈美だった。


 しきりに矢を、ピュンピュンと飛ばしはじめた。


 球也は自分の頭上を飛ぶ矢に、目を向けた。


「うわっ!!」


 球也はたじろいだ。


 その石像が動き出して、こちらに向かってきていた。


 球也の目の前の、大きなサソリの石像は長い尻尾をビュンビュンと振り回している。


 奈美の肩に乗っていたソーヤは、奈美の耳を引っ張りながら<あかんて、相手は固い石やさかい、そんなん効き目ないて。矢の無駄使いやで>としきりに忠告していた。


「うわぃ、なんやねんあれ!! この塔におるやつ、あんなデカイやつばっかりかい!!」


 球也が石像に跳ね返って落ちた、奈美の飛ばした矢までを可能なかぎり拾い集めてやってきた。


<あんた、こんなピンチな時に、よう拾うてくる余裕ありましたなぁ……>


「その代わり、地図はやつらに踏まれてご覧の通り!」


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