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修練の鏡と精霊の大地

第2章 物語の扉

 球也は思った。


 河川敷で会ったタクノアンは、間違いなく、ここの住民であると……。


「では、参りましょう」


 球也は村長ヌカーに連れられ、屋敷に案内された。


 屋敷は歩いて30秒。すぐそこだった。


 球也はラッキオと手を繋いですぐそこまで歩く。


 すぐそこであっても、枯れ枝や小石の錯乱する道を素足で歩くのは、ほとんど拷問だった。


 しかも、日差しがきつく、踏む石が熱をもっている。


 靴がほしい……。


 小石がグイグイと足の裏を刺激する。高校生にとっては、まだ足ツボは早かった。


 藁葺き屋根の平たい家が見える。


「あちらです。どうぞ」


 球也は言われるままヌカーの後ろに付いていく。


「ねえ、水の勇者様はどこから来たの?」


 ラッキオが話し掛けてきた。


「み……水の勇者!?」


 球也は聞き返す。


「水の勇者って?」


 すると、ヌカーが立ち止まって振り向いた。


「それはこれから説明いたします。勇者様、どうぞ奥へ……」


 頭を捻りながら、球也は屋敷の中に入って行く。



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