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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

「うわぁーっ!! 助けてぇー!!」


 球也は体を起こして、両手で枝を掴むが、すでに、木にぶら下がるナマケモノ状態だった。


 そこに、サソリの石像が尻尾を伸ばしてきた。


 球也の足が弾かれ、両手だけでぶら下がる状態だ。


「うわぁーっ!! ヤメロ!!」


 ソーヤに疲れが出たのか、力が弱くなってきた。もう一歩で天井を突き破れるところだが……。


 奈美は手を伸ばすが、これ以上は動けなかった。


 矢を使えば、自分も落ちてしまう。


「奈美ちゃん、やめろ。きみはしっかりと掴まってろ!!」


 球也はそう言うが、奈美は頭を横に振った。


 その表情は、今にも泣き崩れそうだった。


 ソーヤは必死に力を込める。


 ミシミシと音をたて、少しずつ伸びる鉄柱樹。


 石像サソリの尻尾がムチの様に舞い、球也の体をビシビシと弾く。


「グワァーーッ! やめ、やめ……待って待って……ソーヤ!! 早く!!」


 サソリのムチが、容赦なく球也の体を打ち付ける。


 ムチといっても、それは石でできている。まるで、砲丸の玉をぶち当てられているような痛みがあった。


「痛ぁーーいっ!! 助けて!! 助けて!!」



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