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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

 万事休すか……


 その時だった。


「おい! お前らなにやってんだよ!!」


 その声に石像の動きが止まった。


 誰?


 奈美は上から見下ろす。


「あっ!!」


 奈美は見つけた。


 その声の主は、ユングだった。


「おい、大丈夫かぁ!?」


「その声は……ユングさん」


 球也はホッとした。


「なんなんだよ、このバカデカイのは……」


 体の小さいユングには、とてつもなく大きな石像だった。


 球也は苦しそうな表情で、ユングに言った。


「実は、カクカクシカジカあーたらこーたら、カッパがクソしてひっこらほっこらと……」


「なるほど、巨大石像が襲いかかる仕掛けをぬけて、一気に上まで昇る方法のひとつとして、草木の精霊のソーヤが小さな鉄樹の芽を、精霊の力で育てて突き上げようとしたが、天井が硬すぎて、貫けなかったのか……」


「今のでようわかりましたね……」


 すると、ユングは大きく手を振って、こう叫んだ。


「おい、どうしたデカブツよぉ!! お前らの相手はこっちだぁーっ!!」


 自ら、おとりとなって、石像の目をひきつけた。



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