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修練の鏡と精霊の大地

第11章 現実世界と大仕掛けの間

 すると、今まで鉄柱樹の方に引き寄せられていた石像達が、一斉にユングに向かってきた。


「球也!! こっちはまかせろ!! 早く上にあがれっ!!」


 ユングが自分の身を危険にさらしてまで、助けに来てくれた。


 その思いを無駄にはしたくない。


「負けるかぁっ!!」


 球也は無理矢理、枝によじ登った。


「球也!! 受け取れぇーっ!!」


 ユングは力をこめて、小さな麻袋を球也に向かって投げた。


 麻袋は見事に、球也の手元まで飛び、球也はそれをしっかりとキャッチした。


「それには光と虹の精霊石が入っている。絶対なにかに役立つはずだ!!」


 ユングは小さな体でチョコマカと動きながら、球也にそう告げた。


 球也はしっかりと、それを握りしめた。


「ユングさん、ありがとうございます!」


 球也は木の上から頭を下げた。


 すると、球也の肩になにかが触れた。


 奈美だ。


 目にいっぱい涙を浮かべながら、球也の肩に手を置いた。


「奈美ちゃん、ごめんなぁ。でも、よかったなぁ、声が出るようなって」


 球也がそう言うと、奈美は無言で頷いた。


 球也は薬を出すと、一粒口に入れた。


「よし、これでさっきの攻撃のダメージは回復する」


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