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修練の鏡と精霊の大地

第12章 光と虹の橋

 ユングに言われ、奈美は水の入った容器を安心して手渡した。


「これ、お願いします」


「OK、任せろ。それより、精霊の大地に行くんだよな? ひょっとして、俺が預けたあの精霊の石が役にたたないか?」


 石!


 そう、球也が石像の階にいた時、ユングが投げて預けた精霊の石がある。


 球也は懐から、石を出した。


「この精霊が、なんかの役にたつん?」


「わからない。けど、やってみる価値はあるんじゃないかな?」とユングが言った。


 確信はない。だが、可能性はある。


 だが、その石をどう使えばいい?


 球也はしばし考えた。


 ユングの話を聞いていた勇樹は、社を指差して球也に言った。


「なぁ、それ、あそこに安置してみたらどうだ?」


 球也はポンと手を叩いた。


「それっすよぉーっ!! 僕もいま、それを考えてたとこですわ!!」


 実はまったく考えてはいなかった。


 社の中には、丸い窪みが二ヵ所空いており、両脇に1つずつ水晶玉が飾られてあった。


「ここに置くのかな?」


 球也は虹の精霊石と光の精霊石を、窪みにはめこんだ。



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