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修練の鏡と精霊の大地

第2章 物語の扉

「あの……すいません」


 固唾を飲みながら、球也が話しかける。


「なんでございますかな?」


「ここは日本ですか?」


 ヌカーはチムキと、顔を合わせる。


 チムキが竹の様な物で編んだカゴの中に衣類を置くと、ヌカーに、自分から話すといったジェスチャーを見せた。


「日本と言えば、日本かも知れません。ただ、日本の中にある別の世界と言った方が分かりやすいかも知れませんね」


「別世界?」


「私達はあなた方で言う妖精と呼ぶ物です」


 タクノアンと同じ事を言った。


 球也は目を丸くする。


「えっ!? じゃ、ここの人はみんな人間じゃないの?」


 ヌカーは笑う。


「人間と違う点は、我々はいろんな言葉が話せたり、妖力が使えたりすることぐらいかの。体の中開いてみても造りは人間と変わらない。人間の世界に行ったこの国の女が、人間の男性と結婚したりしてるからなぁ」


 人間と妖精が……


 球也は非常に驚いた。


「ちなみに、そこにおるラッキオは人間の男とチムキの間に出来た子供じゃよ」


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