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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 すると、後ろから「あれっ!? おいおい!!」


 勇樹の声だ。


 球也がそれに反応して、振り向いた。


 勇樹が立ち止まって、斜め下、前方を見ている。


 その目先には、小さな人型の物体が2つあり、こちらに走ってくる。


 よく見れば、一体は発光し、もう一体はカラフルな色合い。しかも、なにやら担いでいるようにも見えた。


「あぁっ!! 待てっ!! ちょっと待て!!」と勇樹が、その小人を呼び止める。


 小人はなにも反応を見せずに、タタタタっと前に進む。


「おい! 球也っ!! そいつらを捕まえてくれっ!!」


 勇樹は慌てて小人を指差して、大きな声で言った。


「えっ!? なんで!?」


 球也は事を理解していない。


「あのなぁ、そいつら……社で頑張ってた精霊だ! この橋を作った精霊だよ!!」


「はぁっ!?」


 よくよく見ると、たしかにそれは、塔の最上階の社で、光と虹の橋を出現させた、二体の精霊だった。


「おい! 球也っ!! そいつら、なにか持ってるぞ!! それを確かめろっ!!」


「は、はいっ!!」



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