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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 今まで歩いてきた、光と虹の橋が徐々に消えはじめていた。


 それも、勇樹の後ろ、数メートル先まで橋がなくなっていた。


「あかん……これ、落ちてまう……」


 球也はこの世界に来て、今、一番の恐怖に襲われていた。


「き、君達……早く……帰りたまえ……今すぐ、早く、速攻に、急速に、マッハで頼む!!」


 球也の声に応えるかのように、二体の精霊は小さな手を振った。


「いや、バイバイしなくていいから、至急、塔の社までーーっ!! て、橋、消えてるやぁーーん!!」


 その声は勇樹に届いた。


 勇樹は振り返った。


「ま、マジかぁぁーーー!!」


 光の精霊と虹の精霊は走り出した。


 だが、とてつもなく遅い。


 こちらに来る時は、早く感じたが、実際はとても遅かった。


「おい! 間に合わねぇだろ!! そこで橋を繋げろっ!!」


 腰を低くしながら、勇樹がわめく。


 この橋が消えたら……東京スカイツリー以上の高さから、落下することになる。


 どうもこうも、あの二体の精霊に頼るしかなかった。


「頼むーーっ!! お前ら早く橋を繋げてくれぇーーっ!!」


 勇樹は真面目に本気に真剣に叫んだ。



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