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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 透明の見えない橋。


 あると言われても、すぐ真下には地上が見える。


 見れば、全身の神経がこそばゆくなる。


「あの精霊の役目は、見えない橋を見える状態にすることだったんだ!! だから、透明度は高いが、橋は必ず存在するっ!! ゆっくりとほふく前進すればいい!!」


 そう言う、勇樹自身が1cmも動けないでいる。


「言うてることわかりましたぁーっ!! だけど、下を見るとゾワゾワ感がして肛門に力が入ってまいますぅーっ!!」


 球也は落ちないとわかったものの、この状態から動くことができなかった。


 もし、足を踏み外したら……そう、思うとよけいに震えがくる。


「アカン……こんなん、落ちたらトマトみたいに、全身破裂するわ……」


 べったりと貼り付けるように、体をうつぶせて横になる。


 手足は広げず、キュッと亀のように縮めている。


 だが、彼らを襲うのは、ゾワゾワ感と力む肛門だけではなかった。


『ギャードゥブルッタッウ!! ギャードゥブルッタッウ!!』


 難しそうな響き音が、空から流れた。


「ちょっと……もう、やめてぇな……」



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