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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

『ガイィィィ〜〜ン!!』


 ギターの弦が切れるような音が響くとともに、床が地震のように大きく揺れた。


「うわわわ!! 危ない!! くそっ!!」


 勇樹は危うく、体が滑り落ちそうになったが、必死にしがみついた。


「うわぁぁぁぁぁっ!!」


 すると今度は、球也の体が転がるように大きく滑り、橋の端に傾いた。


 手と頭が橋よりも下に、下がった。


 間違いなく落ちる。


 体が強張り、息が止まるような思いがした。




 だが、球也の体は落ちてはいなかった。


「……へっ!?」


 口が必要以上にガチガチと震え、冷や汗と鼻水とよだれでグジャグジャになりながら、球也は怖々と目を開けた。


 なにかに支えられている。


 なにが自分を支えているのだろう?


 見ると、自分胴体に緑色のツルが絡まっていた。


「な、な……なに!?」


 そのツルの先は、見えない橋にぐるぐるに巻き付き、球也の体をしっかりと受け止めていた。


 ソーヤが助けてくれたのか?


 だが、ソーヤは球也の懐の中で動かないままだ。



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