
修練の鏡と精霊の大地
第13章 橋の上の攻防
奈美の声だ。
勇樹は奈美がいる方に、顔をむけた。
奈美は、弓矢を構えていた。
「……なんのつもりだ?」
勇樹が聞いた。
「球也さんをはなして!! はなさなければ、本気で射つよ」
矢の先は、勇樹に向けられている。
「おいおい……お前に俺が射てるのか? 人を殺せる勇気がお前にはあるのかっ!?」
勇樹は不気味に笑って、奈美を挑発した。
『ヴィンッ!!』
奈美の手から、矢が放れた。
その瞬間、勇樹は左頬に熱いモノを感じた。
そして、頭に巻いた、勇樹の赤いバンダナが、ハラリと落ちた。
バンダナはヒラヒラと風に流され、やがて静かに落ちていった。
「くっ……」
勇樹の顔が強張った。
奈美は容赦なく、本気で射った。
しかも、狙ってバンダナを矢で裂いた。
勇樹にはそれがわかった。
勇樹の額から、ジワッと汗がにじみ、一滴流れると、頬にしみた。
頬は赤く太い線がひかれ、ジンジンと疼きだしてきた。
奈美の手には二本目の矢が握られていた。
その矢の先は、勇樹の眉間を狙っていた。
「っ!!」
勇樹は奈美がいる方に、顔をむけた。
奈美は、弓矢を構えていた。
「……なんのつもりだ?」
勇樹が聞いた。
「球也さんをはなして!! はなさなければ、本気で射つよ」
矢の先は、勇樹に向けられている。
「おいおい……お前に俺が射てるのか? 人を殺せる勇気がお前にはあるのかっ!?」
勇樹は不気味に笑って、奈美を挑発した。
『ヴィンッ!!』
奈美の手から、矢が放れた。
その瞬間、勇樹は左頬に熱いモノを感じた。
そして、頭に巻いた、勇樹の赤いバンダナが、ハラリと落ちた。
バンダナはヒラヒラと風に流され、やがて静かに落ちていった。
「くっ……」
勇樹の顔が強張った。
奈美は容赦なく、本気で射った。
しかも、狙ってバンダナを矢で裂いた。
勇樹にはそれがわかった。
勇樹の額から、ジワッと汗がにじみ、一滴流れると、頬にしみた。
頬は赤く太い線がひかれ、ジンジンと疼きだしてきた。
奈美の手には二本目の矢が握られていた。
その矢の先は、勇樹の眉間を狙っていた。
「っ!!」
