修練の鏡と精霊の大地
第13章 橋の上の攻防
「待った待った待った、僕を間に置いて、なにしてくれてんのぉーっ!!」
その者と言えば、三人のうちの一人、球也しかいない。
「奈美ちゃん、アカン。なにがあったか知らんけどやめとき。下手したら殺人者になるで」
球也の声が耳に入ったのか、奈美の照準が微妙に狂いだした。
球也は後ろを向いた。
「佐田さんも、後でよう謝ったらよろしいやん。二人とも、今は争ってる場合やあらへん。はよ先に進んだ方がええよ」
「もう、俺は大丈夫。奈美、今は休戦……いや、怒らせたのは俺が原因。本当に申し訳なかった。ちゃんとした場所で、改めて謝罪する。今はおさめてくれ。頼む」
勇樹は汗だくになりながら、頭を深く下げた。
奈美はグッと歯をくいしばって、弓矢を下ろした。その目には涙が浮かんでいた。
私は許したわけではない。この心の傷を癒すには、ただ謝るだけじゃおさまらない。
そう言いたげだった。
「とにかく、ここにおっても暑いだけ。球也の言う通り、少しずつ足場を確かめて進むしかない」と勇樹が言ったその時……。
その者と言えば、三人のうちの一人、球也しかいない。
「奈美ちゃん、アカン。なにがあったか知らんけどやめとき。下手したら殺人者になるで」
球也の声が耳に入ったのか、奈美の照準が微妙に狂いだした。
球也は後ろを向いた。
「佐田さんも、後でよう謝ったらよろしいやん。二人とも、今は争ってる場合やあらへん。はよ先に進んだ方がええよ」
「もう、俺は大丈夫。奈美、今は休戦……いや、怒らせたのは俺が原因。本当に申し訳なかった。ちゃんとした場所で、改めて謝罪する。今はおさめてくれ。頼む」
勇樹は汗だくになりながら、頭を深く下げた。
奈美はグッと歯をくいしばって、弓矢を下ろした。その目には涙が浮かんでいた。
私は許したわけではない。この心の傷を癒すには、ただ謝るだけじゃおさまらない。
そう言いたげだった。
「とにかく、ここにおっても暑いだけ。球也の言う通り、少しずつ足場を確かめて進むしかない」と勇樹が言ったその時……。