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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 翼竜は大きく口を開け、奈美に向かっていった。


 奈美は三発目も射つが、翼竜には、かすりもしない。


「奈美ちゃん、逃げろ!!」


 球也は叫ぶが、奈美がいる場所から先は、橋が見えない。 足場が無いのと同じだ。


 奈美は動こうにも、動けない。


 勇樹は体に巻き付けているツルを、さらにキツく締めた。


 そして、二本ある刀のうち一本を、やり投げの要領で、翼竜に目掛けて投げた。


『ギャードゥブルッ!?』


 気付かれた。そして、惜しくも避けられた。


 翼竜は勇樹に狙いを向けた。


「おいっ!! お前の相手は俺だ!! こっち来い、こっち来い!!」


 こうなることを望んでいたのか、勇樹はこっちに来いとばかりに、手招きをした。


『ギャードゥブお前、俺をルッタッウ!! ギャー塀の上で日向ぼっこしてるドゥブルッ猫やと思ってないかタッウ!!』


「あ、球也の言う通りだ!! こいつ、間に日本語入れてやがる!!」


「そうでしょ!! なんか、訳わからんこと、間にぶっこんでメッセージ残しよるんですわ!! おかしいんですわ、あいつ!!」


「元からこの世界にいるやつは、おかしなもんばかりだろうがっ!! 球也ぁっ!! ちょっとばかり気合い入れとけよ!!」




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