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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 勇樹は向かってくる翼竜に、正面から挑んだ。


「む、無理だよ佐田さん!! いくら格闘家でも、相手が違いすぎる! カマキリがカラスと戦うようなもんだよ!」と球也が叫ぶ。


 翼竜は口を開けて、勇樹に向かってきた。


「こんなとき、お前達のリーダーのあのレスラーも、同じことしたんじゃねえか? 相手がなんだろうと、どうしても闘わなければいけない時に闘うのが格闘家だ。強い者が、弱い者を守る。当然だろうが!!」


 勇樹は残り一本の刀を左手に持ち、右手はしっかりと拳を握っていた。


 だが、あくまで刀は防御。攻撃は拳で決めるつもりだった。


 翼竜は頭から突っ込んできた。


「くたばれやっ!!」


 己に気合いの一声をかけ、タイミングを見計らい、右の拳を打ちつけた。


『ゴツッ!!』


 元の世界では、何度も相手をKOさせた右の拳。


 それは、翼竜の左目に当たった。


 その打撃が脳にきたのか、翼竜はグラリとバランスを崩した。


 勇樹は翼竜の長い首に右腕を巻き、羽に刀を突き刺した。


「奈美っ!! 今だ、矢を放てぇーーっ!!」



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