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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 とどめは任せた。


 奈美に仕留めてもらうために、危険に身をさらした勇樹の行動。


 奈美はそれに応えるべく、矢を仕掛けた。


 狙いは翼竜の頭。


 絶対にはずさない。そう心に約束した、思いの一発が放たれた。


 矢の先は、真っ直ぐに翼竜の頭に目掛けて、飛び出した。


 その瞬間、時が止まり、静かな空間に感じた。


 矢は、翼竜の頭の付け根にヒットした。


 翼竜は大きな羽をバタバタと扇ぎ、暴れだした。それと同時に体が傾いた。同じように、勇樹の体もフワリと浮いた。


「しまったっ!!」


 勇樹と翼竜の体が橋から離れた。


「佐田さん!!」


 このままだと、自分も引き摺られる。


 球也と勇樹の体は、一本の太いツルによって繋がれている。


 球也は腰をおろした。その後ろから、奈美が支える。


「佐田さーん……そいつをはなして下さい……」


 両手でツルを掴み、必死にこらえる。


 球也の腕と体には、勇樹と翼竜の重さのすべてが伝わる。


「ダメだ……こいつの爪が、俺の服に引っ掛かってる……」


「じゃ……せめて、その刀でツルを切って……」


「俺まで落ちるだろっ!!」



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