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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

「佐田さん……そこは、アクション映画のように、身を犠牲にして……」


「待て……俺は死にたくねぇぞ!! ましてや、この高さからは……」


 そのやり取りを後ろから見ていた奈美は、親切に球也の背中のサヤから剣を取ってあげた。


「あ、奈美ちゃん、それはいい考えや。でも、僕は動けないから頼むわ」


 球也は自分も落ちないように、しっかりと踏ん張るのが精一杯だった。


 いまにも、ぶら下がった一人と翼竜の重さで、引っ張られて落とされそうになっているのだ。


 勇樹が見上げると、剣を持った奈美が見えた。


「待て……本気か? やめてくれよ……」


 奈美はニヤリと笑った。そして、吊られた勇樹の状態を見た。


 翼竜は死んではおらず、刺さった矢の痛さで気を失い、羽についている太い爪が勇樹の鞣し革の服に引っ掛かって、ぶら下がっているのだ。


 奈美は座り込み、剣を振り上げた。


 30cmほど下には、勇樹がいる。


 勇樹は何度も手を伸ばし、見えない橋に掴まろうとするが、翼竜の重さで上手く上がれない。


「頼む……奈美……本当に悪かったから……助けて……」


 勇樹は涙声で助けを求めた。




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