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修練の鏡と精霊の大地

第13章 橋の上の攻防

 奈美は、前を見据えていた。


 目の前に見えるゴール。


 なにがあるかわからないが、行かなければその答えが見えてこない。


 あの塔には、水をくむためだけに挑んできた。だが、新たな道を見付けたからには、戻ることは許されず、そこに行かなければならない。


 それこそが、この旅だ。


 もとは、自分一人だけの道だったはず。


 そこに、仲間が増え、共に行動した。


 現代では絶対にすることのない、体験をした。


 そして、現代の頃に受けた心の病から、口がきけなくなった。


 今は、大きな壁をぶち破ることができたおかけで、メモなどを使わずに、自由に話せる。


 昔の自分ではない、なにかが強くなったことを感じていた。


 奈美は、歩きながらあるものを見ていた。


 それは、勇樹からもらったおにぎりの袋だ。


 中に、1枚の紙が入っていた。


 それは勇樹が書いたと見られる、手紙のようものだった。


 奈美は、歩きながら、それを黙読していた。


 まるで、街中で歩きスマホをしているかのように……。



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