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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

「えっ! マジ!?」


 球也はその弓を受け取ると、試しに一本の木に目掛けて射ってみた。




 はずした。


「奈美ちゃん、やっぱ多少は弓を射る腕が必要だわ」


 奈美にいいところを見せようとしたことが、裏目に出たようだ。


「球也さんは、ずっと野球をしてたの?」


 奈美は球也の心境を察知してか、話の方向を変えるように質問をした。


「うん、小学生の頃は少年の草野球してて、中学から真剣にやりはじめたんや。初めてレギュラーで試合出させてもうて、ほんで、ええ肩してる言われて、ピッチャーをはじめたんや。でも、コントロールが上手いこといかんし、スピードも出えへんし、結局は元の守備のセカンドに逆戻りやわ」


 奈美の気配りが恥ずかしかったのか、無理矢理急ピッチで話しはじめた。


「ふ〜ん」


 自分で質問をしておきながら、あまり興味はなかったようだ。


 二人の間を流れる空気を変えようと、球也は立ち上がった。


「よし、とりあえず、いまここでやらなきゃいけないことを考えようか」



 そう言ったものの、何をはじめたらいいのか、まったくわからなかった。




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