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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

 アビラの水を取りに塔の上を目指していただけで、まさか、行くべき目的地のひとつ、精霊の大地に足を踏み入れるなんて、思ってもみなかった。


「私は、ある村の精霊マスターって人に聞いて、暗黒の釈迦を倒す前に、精霊の大地で最低でも5つの精霊石を持って行くべきだって言われた」と奈美は話す。


「精霊マスター? 僕が会ったのは精霊インストラクターって肩書きの飲み屋のおばちゃんやったで。でも、そこまで聞いたかどうかは覚えてへんわ」


 球也はその頃、占い師修行中の純化と出会い、その精霊インストラクター「バンタリン」のいる、飲食店に入っている。


 ずばり、聞いたことは、純化に頼っていた。


「ほんなら、攻撃と守りになってくれそうなやつ、いくつか探して持っていこうな」


 ゆっくりしている場合ではない。偶然にたどり着いたとはいえ、メンバーの代表として、ここにいるようなもの。


 いくつか精霊を見つけ、本来なら一緒に来るはずだった、みんなの手間を少しでも軽くしたい。


 二人は歩きながら、何が攻撃に適しているのか? 何が守りに適しているのかを相談し合った。



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