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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

「うわあっ!! 出たなバケモン!! いまだ精霊達! バケモンにさっきのイガグリを浴びせたれっ!!」


 イガグリは、球也に向かって集中砲火。


「イタタタタタタタ!! もうヤメテ!! これ以上、こまかい穴が増えたら原型なくなってまう!!」


「これこれ、みんな、乱暴はやめなさい。大丈夫ですか?」


 赤いドラム缶がそう言うと、イガグリはピタリとおさまった。


「あの……もしもし、生きてますか?」と赤いドラム缶が覗きこむ。


「大丈夫やないって!! あんた、いっぺん逃げ場の無い、大量のイガグリの連続投下を三回受けてみなはれ!! 三回目受けてすぐ、走馬灯見かけたわ!!」


「いやいや、素晴らしいリアクションでしたよ」


「こっちはマジ本気の命懸けだよ!! 笑いなんてとってないわ!! てか、この世界のバケモンが、リアクションなんて使うな!!」


「バケモンなんて失礼な。私はこの世界の長を勤めます。ドラムともうします」


 ドラムと名乗る赤いドラム缶は、深々と後ろに体を曲げた。


「お前、バカにしてるだろ……人に挨拶すんのに、なんでふんぞり返ってんねん」



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