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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

「こちらで匂いを感じます」


 ドラムは自分の目を示した。


「その、システムの構造はどないなってんねん!! 聞く答えがすべて新発見やわ」


「だから、ワサビを食べますと、鼻からくるツーンが直接目に来ますので……」


「わかったわかった……もう、それ以上ぶちこんでくるな。頭痛がしてくる……」


「頭はもう、すでに痛いのでは?」


「頭皮の方じゃない!! こっちは痛いにプラスして痒いもきてんだよ!! なんで、一言一言スルーせずに拾って絡むかなぁ……」


 球也は元の世界の、野球部の仲間とのやり取りを思い出した。


「申し訳ありません。いや、その懐には精霊がおられますね」


「そうなんだ。ソーヤと言って草木の精霊なんだけど……」


 球也は塔の中でのソーヤの活躍を話した。


 ドラムは目を閉じて聴いていた。


 球也は残念そうに話し終える。


「……そのために、こんなかたちで死んじゃったんだ」


「そうですか……では生き返しましょうか」


「えっ、あっさり?」


「簡単ですよ。だって、精霊は死にません」


「なに!?」


 驚いた。塔の最上階で勇樹から、石に変わらなければ死んでいると聞かされていたからだ。




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