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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

「ほんまに出てきた……これは、ダイヤ?」


「はい、ダイヤの精霊です」


 ドラムはダイヤの精霊を差し出した。


 球也はそれを受け取る。ほんのりと温かかった。


「ここに来る前、精霊を人から人へ、受け渡したりしてたんだけど、それって大丈夫なの?」と球也が聞いた。


「それは、精霊個人個人の判断としか言いようがございません。中には、相性が合わないってことで、拒否するものもいると思われます」


 そう言うと、ドラムは次の精霊をだすために再び念じた。


「ロエガンカクヨ、イカヅダムノンキシジイセイゼツダ、ウュキイセナウトフ、モドンゲンニナカロオ、ダンラクガメニネカ」


「その呪文、必要なんか?」


 すると、ドラムの手のひらから、ボール状の金の塊が現れた。


「うわっ!! 宝や!!」と球也は思わず、身を乗り出した。


「どうですか?」


「いや、すごいわ。以前、下界の妖精の村に同じこと出来る人がいたけど……」


「同じこと……まあ、妖精の弟子は、何人かいましたから、おそらくそのうちの一人でしょう」


 球也は以前、純化と訪れた酒飲み屋のママ「バンタリン」のことを思い出した。


 球也は、そのバンタリンに、火の精霊を出してもらったことがある。



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