修練の鏡と精霊の大地
第14章 精霊の大地
「そう言えば、ドラムはバンタリンて人知ってる?」
とくに気にはしてなかったが、思い出したついでに聞いてみた。
ドラムは目を閉じて、6本の腕を組んだ。
「バンタリン……ああ、なんとなくですが覚えています。ここに来た時は、若いメメ子だったねぇ」
「メメ子……あぁ、女の子って意味ね。なんか、卑猥に聴こえるわ……」
「精霊を愛する、優しい子でしたよ。そう言えば、もう、亡くなったんですね。寂しくなります」
「えっ、バンタリンさんが亡くなったってこと、知ってるんですか?」
バンタリンは、球也と純化が店で食事をしている時、怪物に襲われてこの世を去った。
「亡くなったことは、知ってます。三日ほど前に、頭に輪っかを浮かべて、背中に羽根をつけて、あの山の向こうに飛んでいきましたよ」とドラムは森の奥にそびえ立つ岩山を指差した。
「えらい、古いスタイルで飛んではったんですね……」
そう言ったあと、ふと、疑問に思った。
「あの山の向こうにバンタリンさんの魂が飛んでいったんですよね? 山の向こうになにかあるんですか?」
球也は、その岩山を見ながら聞いた。
「山の向こうには、あの世に行く道かございます」
とくに気にはしてなかったが、思い出したついでに聞いてみた。
ドラムは目を閉じて、6本の腕を組んだ。
「バンタリン……ああ、なんとなくですが覚えています。ここに来た時は、若いメメ子だったねぇ」
「メメ子……あぁ、女の子って意味ね。なんか、卑猥に聴こえるわ……」
「精霊を愛する、優しい子でしたよ。そう言えば、もう、亡くなったんですね。寂しくなります」
「えっ、バンタリンさんが亡くなったってこと、知ってるんですか?」
バンタリンは、球也と純化が店で食事をしている時、怪物に襲われてこの世を去った。
「亡くなったことは、知ってます。三日ほど前に、頭に輪っかを浮かべて、背中に羽根をつけて、あの山の向こうに飛んでいきましたよ」とドラムは森の奥にそびえ立つ岩山を指差した。
「えらい、古いスタイルで飛んではったんですね……」
そう言ったあと、ふと、疑問に思った。
「あの山の向こうにバンタリンさんの魂が飛んでいったんですよね? 山の向こうになにかあるんですか?」
球也は、その岩山を見ながら聞いた。
「山の向こうには、あの世に行く道かございます」