テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

「じゃ、今から行くのは、あの山の向こうなんですね」


「そうや。神の力を持つ精霊。そいつを手に入れるんや」


 神の力を持つ精霊。それは、球也がダイヤと金の精霊にフラれた後の話だった。


「実は、そのバンタリンですが、私の教えのもとで修行した結果、精霊使いとなったわけです」


「そうやなぁ、さっき言うてはったしなぁ」


「亡くなったいま、彼女も精霊となるわけです」


「まあ、ドラムの言うシステムだと、そうなるわなぁ」


「その亡くなったバンタリンが、この世界にあるすべての精霊の力を持つ、パーフェクトな精霊として生まれ変わると言ったら、どうします?」


 球也の目の色が変わった。


「出た……マニュアルのサプライズ。それって、存在するの?」


「過去に私の父が、亡くなった時にパーフェクトな神の精霊となりました。ですが、すでに50年以上たちますので、おそらくいないでしょう」


「じゃ、他にいるかどうか、さっきみたいに、念じてみればいいんじゃないの?」


「残念ですが、それは不可能です。1つで全種類の力を持っていますので、もし、いたとしても、パワーが強すぎていくら私でも念じては出せません」


「すげえな……つまり、ウンコの力もダイヤの力も果実の力も持ってるんや……」


「ん、まあ、そうですが……」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ