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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

「それって、手に入れることは可能なん?」


「精霊使いが亡くなると、修行により身に付けた力が神秘なる光と化して、精霊となる体に新たな進化を備える。その進化の証こそ、ゴッド、神の力を持つ精霊となる。バンタリンはいま、生まれ変わろうとしておる。ならば、冥界の門を訪ねてみればいかがかな?」


 ドラムは山に向かって、大きく手を広げた。


「なるほど……つまり、神に対抗するなら、神の力を持つ精霊が必要ってわけやな」


 腕組みをして、口をキュッと結ぶ。なんとしてでも手に入れなきゃならない。


 それにはまず、あの山を越えるしかない。


「あそこまで行くのは、結構な時間がかかる?」


「いや、見た目より近いですよ。私の足で14時間ほど」


「けっこうな距離やなぁ……」




 あの山の向こう側にある、冥界の門。


 そこに行けば、バンタリンの生まれ変わった姿の精霊がいる。


 それも、全種類の精霊の力を持つ、最強の精霊。


「神の精霊」


 奈美も行くことに賛成した。


「じゃ、それまでは他に精霊の力がいるかもしれない。私、これだけ集めたんだけど……」と奈美が下に置いた7つの精霊を示した。


 球也はそれを見た。


「おい、ドラム。我々が精霊を仲間にするのが、難しいって言っといて、なんで奈美ちゃんがこんなに仲間に出来るんだよ!!」


「いや、実際、7つや8つくらいなら、気の合う精霊に出会える確率と言えば、まだ少ないほうです」


「こんだけ出会えりゃ、充分じゃ!!」


 ドラムは7つの精霊を、1つ1つ確認する。


「うん、みんなまだ若い精霊ですよ。それに、石の精霊と砂利の精霊は同じ系統です。砂利の精霊が成長すれば石の精霊になりますので、あとは水、風、土、昆虫、ダイヤですか……」


 球也の耳がピクリと反応した。


「ダイヤぁ〜?」


「これはまだ、原石の精霊ですね。まあ、万が一ならダイヤの壁を出したりしますので……」


「奈美ちゃん、よくやったぁ!!」


 球也は震える声と笑顔で、奈美の手を両手で握りしめた。



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