テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

<ちょっと待ったーーっ!!>


 球也の懐から、声がした。


「えっ!? この声は……」


 球也は自分の懐を覗き見る。


<うちの存在忘れたらアカンで!>


 ソーヤだ。


 やっとパワーが戻ったようだ。


「うおぃっ!! ソーヤ!! 心配したでおいっ!!」


 球也は大喜びで、ソーヤを肩にのせた。


<この世界の空気が、うちに力をくれたんや。もう、あんな無理でけへんけど、また力になるで!!>


 ソーヤは小さな拳を、キュッと握った。


「ほぉ、信じられない。この精霊は話せるのかね」とドラムが1つしかない目を丸くさせる。


<覚えたんや。人間の世界にいっとき、おったさかいなぁ>


「なんと……そうでしたか……しかし、あなたはそうとうな年齢ですな」


<あぁ、うちはここの世界やったら49歳やろうなぁ。人間の世界と下の世界とここやったら、ぜんぜん時間の進み具合がちゃうもんなぁ>


「なんと!! 来年、寿命ではございますな!!」


 球也と奈美の表情が変わった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ