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＜はぁ？　なんやそれ？＞


　ソーヤは素っ気ない態度を見せた。


＜あれ？　ご存知ないのですか？　これまた、精霊界一の物知り、ソーヤ様らしくない＞


＜は？　なんのつもりや？　うちをおちょくっとんのか？＞


　どうやら、いがみ合っているようだ。


「おい、ソーヤ……なにを言い合ってんだ？　わけわからんのやけど……」


　球也は精霊の小さなやり取りを見て、なんとなく険悪なムードを感じた。


＜ちょっと、球也はん、黙っといてや。うちはこいつ、なんとなく気にくわんねん＞


　ソーヤは聴こえるか聴こえないかくらいの音で、舌打ちをする。


「いや、これからまた旅に出るのに、こんな状態のままやったら、チームワークみだれるやんか」


　とにかく球也は、精霊同士の争いをおさめたかった。


＜今までは、精霊の中で人間の言葉を覚えられたんは、うちだけやと思ったんや。そしたら、もう一人現れよった。それが、いま奈美さんの乳に、挟まれてるそいつや！＞


「ソーヤ、今の言い方はなんとなく好きやで」


＜そやろ。しかし、こいつはうちと同じ物知りでもあり、植物系の精霊やねん。しかも、に樹木の位に立ちやがった、なんか鼻につく憎いやつやねん＞


　ただの嫉妬だった。