修練の鏡と精霊の大地
第14章 精霊の大地
<はいはい、終わったでぇ〜>
ソーヤは手を振った。その表情は、なんとも清々しさを覚えた。
球也が両手をだして、ソーヤをのせた。
「もう行くで。連れていく精霊は決まったからな」
<えっ、なにを連れていくん>
「果実と水、火と風と石、そしてソーヤとクッサ〜で」
自分は面白いと自負している高校生が、調子にのってギャグを言ったのだが、クスリともせずにしらけた空気の中、なんの突破口も見いだせぬまま静かになるのと同じことを球也はしてしまった。
そんな球也に、サラリとソーヤがトドメをさした。
<サックやから。てか、ダイヤと昆虫いてへんかった?>
スルーに限りなく近い、流されるようなツッコミは、精神的な打撃を受ける。
「ん……あ、奈美ちゃんが、やっぱり昆虫は嫌って言い出したし、ダイヤに関しては、なんか僕が嫌われてんねん……」
寂しそうに話す球也。ダイヤの精霊に嫌われたよりも、サックをクッサ〜と、一昔前の新喜劇のギャグを用いれて滑った悲しみの方が、何倍も深い傷を受けた。
<心のすみで、儲かると思ったんちゃうか? そんなん精霊は、すぐ察知しよるさかいなぁ。しかし、クッサ〜の使い方も、親戚の集まりやないんやさかい、唐突に言うたかてウケるはずあらへん。プロの芸人と素人の差やな>
「傷を広げるのやめて!! 誰か僕に心の処方箋を!」
<あっ、上手い言い回しやなぁ! それやん!!>
「おおきに、師匠のおかげです」
このやり取りが、奈美にウケた。
ソーヤは手を振った。その表情は、なんとも清々しさを覚えた。
球也が両手をだして、ソーヤをのせた。
「もう行くで。連れていく精霊は決まったからな」
<えっ、なにを連れていくん>
「果実と水、火と風と石、そしてソーヤとクッサ〜で」
自分は面白いと自負している高校生が、調子にのってギャグを言ったのだが、クスリともせずにしらけた空気の中、なんの突破口も見いだせぬまま静かになるのと同じことを球也はしてしまった。
そんな球也に、サラリとソーヤがトドメをさした。
<サックやから。てか、ダイヤと昆虫いてへんかった?>
スルーに限りなく近い、流されるようなツッコミは、精神的な打撃を受ける。
「ん……あ、奈美ちゃんが、やっぱり昆虫は嫌って言い出したし、ダイヤに関しては、なんか僕が嫌われてんねん……」
寂しそうに話す球也。ダイヤの精霊に嫌われたよりも、サックをクッサ〜と、一昔前の新喜劇のギャグを用いれて滑った悲しみの方が、何倍も深い傷を受けた。
<心のすみで、儲かると思ったんちゃうか? そんなん精霊は、すぐ察知しよるさかいなぁ。しかし、クッサ〜の使い方も、親戚の集まりやないんやさかい、唐突に言うたかてウケるはずあらへん。プロの芸人と素人の差やな>
「傷を広げるのやめて!! 誰か僕に心の処方箋を!」
<あっ、上手い言い回しやなぁ! それやん!!>
「おおきに、師匠のおかげです」
このやり取りが、奈美にウケた。