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修練の鏡と精霊の大地

第14章 精霊の大地

「精霊は入れますか?」と奈美が聞いた。


 そう、人間がはいれないならば、精霊なら入れるはず。


 ナナエは人差し指を立てながら、気持ち悪い笑顔を見せ「もちろん、精霊なら入れます。ところで、こちらにどういったご用件でしょうか?」と言った。


「はい、実は神の精霊とやらをいただけないかと……あきまへんか?」


「神の精霊!?」


 なぜか、ナナエの口調が変わった。


「今から、二、三日前に、バンタリンと言う精霊使いが亡くなってるはずやねん。聞くところによると、精霊使いが亡くなったら、神の精霊になるって……」


 ナナエは少し考えてから言った。


「調べます……少々、お待ち下さい」


 ナナエはクネクネと、建物の中に入っていった。


 そして10分後。


 なにやら神々しい光に包まれた石を手に、ナナエが戻ってきた。


「バンタリンネームの神の精霊ですね。先ほど出来上がりました。こちらですね」


「えぇーっ!?」


 球也は、いったい自分はこの世界に来て、何度驚いたことだろうと思うくらいに驚いた。


「こ、これが神の精霊……」


 手に取ると、まだ温かかった。


<な、なんやこれっ!? いろんな精霊見てきたけど、こんなん初めてや……>


 ソーヤでも、すぐ感付くほどの強いオーラを放っているのだろう。たかだか手のひらに乗るほどの石なねだが、それは重く広大に感じた。


 ナナエは真っ赤な歯茎を大きく広げた。


「では、たしかにお渡しいたしましたので」


「いや、手に入れたのはええけど、苦労感なしやん!! てか、あんた歯茎、歯槽膿漏ちゃうか!?」


「最近、ちょっと血が……」


「歯周ポケットまで、ちゃんと磨け!!」


 球也の指摘に、最初は笑っていたナナエだが……。


「ところで、あなた方……」


 急に、口調を変えた。


 その姿で、変えられると、とても怖い。


「その精霊を手にしたと言うことは、ひょっとして……天の悪魔を倒しに行くのですか?」


「て、天の悪魔!?」


 初めて聞いた。



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