修練の鏡と精霊の大地
第15章 元の世界
「おい、じいさん!!」
莉子が声をかける。
男性はビクッと背中を揺らし、ゆっくりと振り向いた。
そして段ボールの床に置かれた、皿にのったロウソクに火を灯すと、莉子の顔を照らして見た。
「おぉ、あんたは……もう出てきたのかい?」
男性はロウソクの皿を床に置いた。
「あんた、本当にホームレスしてんだな。てか、あの世界はなんだったのさ? なぜ、旅の途中で出された?」
そう言って、リュックから鏡を取り出して、男性に差し出した。
「……そうか」
男性はそれだけ言うと、また背中を丸めてうつむいた。
「そうかじゃないよ!! ちゃんと説明しろよ!!」
莉子は男性が被っていた帽子を取ると、むき出しになったハゲ頭にペチンと軽く平手を当てた。
「まてまて、お前さんはその鏡の世界の中で、たくさんの貴重な体験をしたのだろ。だが、その体験をこれから先、自分にいかせるかどうかは、それは自分の技量次第のことであり、そして……」
「ごちゃごちゃ言わずに単刀直入で言えよ」
そう言って、莉子は男性のアゴをつかんだ。
「ぼ、暴力はいかんぞ……暴力は」
「あの世界はなんだったんだ!! 教えろよ。この世界と、どんな関係があるんだ!!」
莉子の勢いに、男性の顔も歪む。
「だから、お前さんは、あの世界でなにかを倒さなきゃいけないって、誰かに言われたんだろう」
「あぁ、言われたさ。変な集落にいてさ。闇神とかなんとかを倒しにいけって。なんやらゲームの主人公みたいなことをさせられたよ」
「だから、それにお前さんが失敗したんだろうが。だから、鏡からでたんじゃろ」
莉子は鏡を突き付けた。
「こいつはただの入り口だろ。中途半端は嫌いでね。もう一度、中に入れてよ。あんたがわからなきゃ、もう一度、答えを見付けてくる」
莉子が声をかける。
男性はビクッと背中を揺らし、ゆっくりと振り向いた。
そして段ボールの床に置かれた、皿にのったロウソクに火を灯すと、莉子の顔を照らして見た。
「おぉ、あんたは……もう出てきたのかい?」
男性はロウソクの皿を床に置いた。
「あんた、本当にホームレスしてんだな。てか、あの世界はなんだったのさ? なぜ、旅の途中で出された?」
そう言って、リュックから鏡を取り出して、男性に差し出した。
「……そうか」
男性はそれだけ言うと、また背中を丸めてうつむいた。
「そうかじゃないよ!! ちゃんと説明しろよ!!」
莉子は男性が被っていた帽子を取ると、むき出しになったハゲ頭にペチンと軽く平手を当てた。
「まてまて、お前さんはその鏡の世界の中で、たくさんの貴重な体験をしたのだろ。だが、その体験をこれから先、自分にいかせるかどうかは、それは自分の技量次第のことであり、そして……」
「ごちゃごちゃ言わずに単刀直入で言えよ」
そう言って、莉子は男性のアゴをつかんだ。
「ぼ、暴力はいかんぞ……暴力は」
「あの世界はなんだったんだ!! 教えろよ。この世界と、どんな関係があるんだ!!」
莉子の勢いに、男性の顔も歪む。
「だから、お前さんは、あの世界でなにかを倒さなきゃいけないって、誰かに言われたんだろう」
「あぁ、言われたさ。変な集落にいてさ。闇神とかなんとかを倒しにいけって。なんやらゲームの主人公みたいなことをさせられたよ」
「だから、それにお前さんが失敗したんだろうが。だから、鏡からでたんじゃろ」
莉子は鏡を突き付けた。
「こいつはただの入り口だろ。中途半端は嫌いでね。もう一度、中に入れてよ。あんたがわからなきゃ、もう一度、答えを見付けてくる」