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修練の鏡と精霊の大地

第15章 元の世界

「イタタタタタタ!! やめてやめてお願いですぅ」


 ついに老人は泣き出してしまった。


「チッ、しょうがねぇなぁ」


 コウヤは一旦、老人をはなした。


「おい、もう一度聞く。あの鏡の力のこと、全部教えろ。口止めされてる話も全部だ。お前らの親分のこともな。そいつはどんなやつで、どこにいるか、言え」


「これ以上、なにも知らないんじゃ、本当じゃ本当じゃ……頼まれて鏡を渡してただけじゃ。この日に鏡で不思議なことができる、言われたから手品みたいなことをしたまでじゃ、それ以外はわしはブールレイと名乗れと言われた、ただのホームレスじゃ」


 コウヤは電話を耳にあてた。


「桃尻!! こっちはまだまだシラをきるつもりらしい。そっちはどうだ?」


 コウヤの問いに、莉子が答えた。


「コウヤ、こっちは割れた鏡拾ってわんわん泣いてるよ。どうやら、事が全部終わって、私達が鏡を持ってきたら、その親分から大金もらえるらしいよ」


 莉子の目の前で、男性はむせび泣いている。


「コウヤ、ここにいるやつもさぁ、これ以上なにも話さないみたい……私、暴力は出来ないし、脅すことも出来ないから、そっちをシバきあげて」


『お前、嘘つくな!! そっちから泣き声聴こえてるよ!! で、俺に全部託すな!! ここにいるやつも泣いているんだからよ!!』


 莉子は泣いている男性を見て、ため息をついた。


「なぁ、あんた、いったいいくらもらうつもりだったの?」


 男性はボソッと言った。


「い……一千万」


「えぇっ!!」


 莉子は驚いた。



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