修練の鏡と精霊の大地
第15章 元の世界
「死ねぇーーっ!!」
今にもナタを振りおろさんばかりの勢いで、声を上げる。
「くっ!!」
思わず目を閉じた。莉子の体は硬直していた。
「死ぬのかな……」と、思わず呟いたその時……。
「うわぁぁぁ〜、誰やぁぁぁ……」
突然、男性が弱々しい声を上げた。
「え……」
莉子は静かに目を開けた。
「えっ!! どうして!」
驚きのあまり、目を見開いた。
街灯に照らされて見える、そのガッチリとした姿。
それは総合格闘家の佐田勇樹だった。
「おい、おっさん。そんな危ないもん持って、なにしようとしてんだ?」
勇樹は、男性のナタを持つ手を掴み、ギリギリと締め付ける。
「イテテテ……冗談や冗談……」
「どこが冗談だ? 殺るんだったら、声を上げずにやれよ。ま、だから見つけることができたんだけどな」
勇樹はナタを奪い取ると、その刃を石にこすりつけ、ポンとテントの横に投げ捨てた。
「ヒイィ……」
情けない声をだしながら、あわててテントの中に戻る。
「あれでナタはもう切れない。使いたければ、必死になって研げ」
勇樹はそう言い捨てると、莉子に対して、右手を差し出した。
「まさか、あんたとここで会えるとは、思わなかったな」
「え……あんた、確か……」
勇樹の手を借りて、立ち上がった莉子は、パンパンと体をはたいてホコリをはらう。
「俺は、この近くのマンションに住んでるんだ。元の世界に戻って、落ち着いたからコンビニにビールを買いに行こうと思ったら、叫び声が聴こえてな」
「えっ!? そうなの? あんたも鏡はあのおっさんから?」と莉子はテントを指差す。
「俺が行く格闘ジムはここから車で、30分走った所にある。その近くにいたホームレスに鏡をもらった」
「……そうなんだ」
その鏡が一千万になるということは、黙っていた。
今にもナタを振りおろさんばかりの勢いで、声を上げる。
「くっ!!」
思わず目を閉じた。莉子の体は硬直していた。
「死ぬのかな……」と、思わず呟いたその時……。
「うわぁぁぁ〜、誰やぁぁぁ……」
突然、男性が弱々しい声を上げた。
「え……」
莉子は静かに目を開けた。
「えっ!! どうして!」
驚きのあまり、目を見開いた。
街灯に照らされて見える、そのガッチリとした姿。
それは総合格闘家の佐田勇樹だった。
「おい、おっさん。そんな危ないもん持って、なにしようとしてんだ?」
勇樹は、男性のナタを持つ手を掴み、ギリギリと締め付ける。
「イテテテ……冗談や冗談……」
「どこが冗談だ? 殺るんだったら、声を上げずにやれよ。ま、だから見つけることができたんだけどな」
勇樹はナタを奪い取ると、その刃を石にこすりつけ、ポンとテントの横に投げ捨てた。
「ヒイィ……」
情けない声をだしながら、あわててテントの中に戻る。
「あれでナタはもう切れない。使いたければ、必死になって研げ」
勇樹はそう言い捨てると、莉子に対して、右手を差し出した。
「まさか、あんたとここで会えるとは、思わなかったな」
「え……あんた、確か……」
勇樹の手を借りて、立ち上がった莉子は、パンパンと体をはたいてホコリをはらう。
「俺は、この近くのマンションに住んでるんだ。元の世界に戻って、落ち着いたからコンビニにビールを買いに行こうと思ったら、叫び声が聴こえてな」
「えっ!? そうなの? あんたも鏡はあのおっさんから?」と莉子はテントを指差す。
「俺が行く格闘ジムはここから車で、30分走った所にある。その近くにいたホームレスに鏡をもらった」
「……そうなんだ」
その鏡が一千万になるということは、黙っていた。