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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 球也はあまりの無茶ぶりに、思いを訴える。


「いやいや、それは失礼いたしました。まず、魔除けの結界を抜けて村をでると、道を東に進んでいけばよい。先には、ちょっとひらけた街がある。そこの酒飲み屋に行けばよい。ここには何もないので、まず、その街を拠点にして、いろいろ準備をした方がいいじゃろ」


「街? 道の東? まあ、とにかく街に行けばいいんですね。お金はどうやって稼ぐんですか? モンスターを倒すんですか?」


「稼ぐ? いや、腰にあるそれ。それだけあったらほとんど遊んでくらせますぞ」


「そんな大金を僕にくれたんすか!? ヌカーさん、すげえ金持ちなんすね!?」


「おかげでうちは破産じゃが……」


「返しますよ……」





 そうこうして、球也が旅立つ時がきた。


 背中には勇者の剣を背負い、紙の服を着込み、いざ出発。


 颯爽と、ヌカーの家から出た。


「勇者様、くれぐれもお気をつけて……あまり、無理をなさらないように」


「無理に出したのは誰だよ……」


 球也は、まだ心の準備が出来ていなかった。


「行きたくねぇ〜」


 ラッキオが、そんな球也に手を振る。


「また来てね」



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