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修練の鏡と精霊の大地

第17章 村

 翼竜は急降下した。


 なにやら大きな島に着地するようだ。


「さて、まずは精霊の大地に到着じゃ」


「ええっ!! 神様の世界より、精霊の大地の方が下にあったん!?」


 球也は思わず声を上げた。


「井戸に入って移動したから、てっきり落ちてきたものだと……」


 奈美は不思議な感覚には包まれていたが、そんなに驚きはしなかった。 


 驚き慣れしたのだろう。


 翼竜は静かに着陸すると、三人は地の上に立った。


「ここに、なにしにきたん?」と球也が言う。


 すると、球也の懐からソーヤが顔を出した。


<悪いなぁ、ここにはうちが用があるんや>


「なんや、ソーヤ。まさか……用って、あれか?」球也はすぐにわかった。


<そうや。約束やさかいなぁ>


 ソーヤの約束。それは、同じ樹木の精霊のサックとの同化だった。


 サックはソーヤの精霊魂に惚れ込み、自ら同化することを望んだ。


<まずは、これがこの大地へ、置き土産!!>


 そう言って、ソーヤは更地に向かって力をこめた。


 すると、大地が揺れ、ゴゴゴと唸り出した。


 やがて地上から太い木の芽が現れ、それが徐々に大きくなっていく。


「うわわわ、すごい! 樹齢何百年とかいうくらいの木が出てきよった!!」


<塔の時は、あんなん出した時、クタクタやったんや。今では、枯れ葉一枚出すのと力がそんな変われへん。これが樹木の力なんや>


 樹木の精霊であるため、いま初めてその力を出した。


「これが、ソーヤの記念樹なんやな。なかなかたいしたもんやん」


 球也は、その大木を下から見上げた。


「ほんなら、ここに太い縄を巻いて、柵をしといたらええな」


<いや、御神木やないんやし……>


 ソーヤは、太い枝を2本出すと、竹馬のように乗って、林の中に入っていった。


<お〜〜い、サックぅ〜〜>



 それから20分後。



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