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修練の鏡と精霊の大地

第17章 村

 ソーヤが頼もしく見えた。


「ねえ、球也さん。私達の本当の敵って……」


 不安に感じたことを聞いてみた。


「うん……ひょっとしたら、あのペタロさんのいる村に行けば、答えが出ると思う。そうですよね、おじいさん」


「ZZZzzz……」


「嘘やろ……飛行機とちゃうで……」


 淀屋橋は奈美の背中にもたれ、寝息をたてている。


「もう、おじいちゃん……ソーヤ、ツルを出しておじいちゃんの体に、落ちないように巻いといて」


<はいはい!!>


 ソーヤの力で、淀屋橋の体に、ツルを巻き付けた。


 その様子を背中で感じ、ふと思い出す。


「球也さん……佐田さん、死んじゃったのかなぁ……」


 球也はその質問に、どう言っていいのかわからなかった。


「うん……確かに、あの高さからだったら……ひょっとしたら、助からなかったのかも……」


 死んでるなんて言えなかった。実際、見て確認していないのだから……。




 ちなみに現代……。


「いや、だから俺は見えない橋を、球也ってのと奈美と三人で歩いてたんだよな。でもコウモリみたいな怪獣に襲われてよ……」


 佐田勇樹は元気に生きている。




 球也、奈美、淀屋橋の三人を乗せた翼竜は、塔の上を過ぎていった。


「塔が見えた。なんか、あそこにいたことが、ずいぶん昔に感じる」


 球也はしみじみと言った。



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