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修練の鏡と精霊の大地

第17章 村

「!」


 二人は声が出ないくらいに、驚いた。


「安心しろ。ペタロさんと純化さんは無事だ」


「ちょっと、じゃあ、莉子さん、コウヤさんは?」


「それが、どこにもいないんだ。探そうとしたら、こいつらが武器持って襲ってきやがった。この村のやつら、なにか隠しているに違いない」


 自分達が水を取りに行ってる間に、こんな事態になっているなんて思ってもみなかった。


「ま、待て……」


 一人、肩を押さえながら、ゆっくりと立ち上がる男がいた。


「お前達が言う、その……二人の名前は、威勢のよかったポポ(男)とメメ(女)のことか……」


「そうだ……ここに来るとき、一緒にいた仲間だ」


 ユングはギッと睨み付けて言った。


 球也と奈美も、その男を見据えた。


「やつらは我々の真の目的を妨げる存在になる。だから、この世界から消したんだ……」


「なんやて!! 莉子さんとコウヤさんを……殺したのか? おい、いったいなにをした!!」


 球也は男に掴みかかった。まだ、パワーリーフの効果が残っているのか、片手で持ち上がった。


 男の足は宙に浮き、顔を真っ赤にしながら、言った。


「ひぃー! 睡眠ガスを浴びせて気を失わせてから池に沈めたんだ! だが……やつらは溶けるように姿を消したんだ。死んだかどうかまでは、わからん……」


 球也は男を下ろし、それを聞いて、村にある池に走っていった。


 覗きこんでも、底が見える程度の深さ。それほど大きくもなく、沈んだり流れたりとは考えにくい。


「沈めたってことは、殺すつもりだったんじゃないか! じゃ、お前達の目的ってなんだっ!!」


 ユングはそう言って、次は自分だとばかり、男を持ち上げる。


 だが、相手の首もとをつかんだまま、自分が宙に浮いた。



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